投資した銘柄の整理も兼ねて、テクニカルとファンダメンタルの両面を参考にして、購入から売却までを記事にしてみます。
以前のブログで銘柄整理用にと配布したエクセルシートを利用します。ご参考までに。
『入力するだけ!株分析用エクセルシート』ダウンロードはこちらの記事へ
目次
日本M&Aセンターホールディングス(2127)
参考にしたのは『会社四季報2022年第3集 夏号』です。6月の発売日に購入し約3日ほどかけて一巡し、売上成長率と営業利益率などを参考に日本M&Aセンターホールディングス(以下、日本M&A)を選定しました。
近年、日本は労働人口の減少と経営者の高齢化など後継者の問題が出始めています。それに加えIT化とDXによる業務効率化などでビジネススピードが今まで以上に急速に進み、一から事業投資をするよりも経営戦略によるM&Aなど近年M&Aの件数は増加しつつあります。
参考までに2019年の日本国内M&A件数は4,088件と過去最高を記録し、2020年は3,730件と新型コロナウィルスの影響などで減少に転じましたが、昨年2021年は4,280件と過去の記録を更新しつつあります。また日本企業同士のM&A(IN-IN)型と日本と外国企業(IN-OUT)型のそれぞれが記録を更新しつつあります。
そういった需要に応えるべく近年では『TRANBI』や『BATONZ』といった企業同士をマッチングさせるサイトも盛んに登場しています。
M&A業界については程々にして早速本題に入りましょうか。
業績指標
では会社四季報を参考にエクセルシートに過去と直近の業績を入力していきます。注意点は必ず対象企業の最新のIRを確認し、会社四季報の今期および来期の業績予想値から修正がされていないか確認するようにしましょう。
同業他社とも比較したいので、会社四季報を参考に『日本M&A』『M&Aキャピタルパートナーズ』と『ストライク』の3社で比較します。
選定した6月下旬ごろの株価を入力しPERやPBRの把握、そして四季報からROEやROAも入力。売上成長率や営業利益率も確認。どの銘柄も一長一短ですが、日本M&AはROE22.5%でストライクはROE25.6%とどちらも自己資本利益率でみるとあまり変わりありません。
ストライクは2022年9月で売上成長率30%と勢いがありますが、営業利益率の低さが気になりますがそこまで気にするレベルではなさそうです。
続いてキャッシュフロー(以下、C/F)もみてみましょうか。日本M&Aのみ会社が自由に使えるお金となるFCF(フリー・キャッシュ・フロー)が113億円と他の2社と比べ突出して多いです。
日本M&Aのみ投資C/Fがプラスなのが気になるので、日本M&AのIRにある決算書で確認してみましょう。ちなみに投資C/Fとは事業継続と成長のための設備投資による支出と固定資産売却や有価証券売却などによる収入など、資金の増減を示すものです。設備投資を積極的に行うことで今後の収益の源泉を生み出すことになるので、成長期や成熟期の企業問わずマイナスになることが普通なんです。
日本M&Aでは赤線の箇所にある通り、定期預金払い戻しの収入と出資金の分配による収入が、有形固定資産や投資有価証券の支出を上回ったことでプラスになったことが記載されています。
ここでは割愛しますが、投資C/Fがプラスだと収益の源泉を生み出す固定資産の売却などを行っていることもあり、財務の安全面などに懸念が残るので念のために調べてみました。(懸念がなくても投資する銘柄の決算書は必ず読み込みますが)
続いて貸借対照表で財務安全性を簡単に見てましょうか。細かく全ての指標を解説すると長くなるので、まずは一年以内の短期の手許流動性と自己資本率、エクセルには乗ってませんがPSR(株価売上高倍率)を株式会社ストライクと比較してみましょうか。
ちなみにPSRとは時価総額を年間売上高で割ったものです。基準としては20倍以上で割高、0.5倍以下で割安と判断しますが、1倍以下は不人気銘柄とも解釈できます。なのでPER同様に数値だけで割安・割高を判断せずにトータルで判断するようにしましょう。
PSRの面白いところは新興企業など損益計算書(P/L)の利益が赤字でPERが参考にならないときに、時価総額と売上高で計算して求められることができます。
短期の流動資金と自己資本率も両社大差なく、若干PSRは日本M&Aが高いくらいで、ストライク株も売買候補にいれても良さそうですね。
テクニカル面
それでは日本M&Aの株価の居所を探るために一年チャートをみてましょうか。
一年チャートで2021年12月から今年5月まで下落が続き、株価1200〜1500円のレンジを持ち合いで推移しています。2022/6/24でトレンド転換が確認できました。週明けの27日から25日移動平均線を飛び越えて28日も下値は限定されています。
ボリンジャーバンドも参考に。トレンドが好転したので、25日移動平均線がまたがるラインを参考に、1380円で買い注文。上値の抵抗は4/5の1915円または6/1の1540円で一旦利益確定またはその時のトレンドで判断するとしました。
損切りの価格を6/24の安値付近となる1280円で設定。
- 約定価格1380円×1000株=1,380,000円
- 損切り価格1280円×1000株=1,280,000円
損切り10万円、損切り率7.2%。少し高めになりましたが、そこはその時の日経相場全体と日本M&Aの相場状況などを臨機応変に対応することにしました。
6/28から順調に上昇トレンドに乗り、8/19でオシレータ指標であるRSIの数値が50を下回っため一旦利益確定しました。
利益確定金額1870円×1000株=1,870,000円
1,870,000円−1,380,000円=+490,000円(+35.5%)の利益です。
売買手数料と売買益にかかる税金(20,315%)はここでは無視して記事にしています。
もう少し保持しても良かったのかもですが、米国ジャクソンホール会議、それに加えて日本M&Aは昨年12月に不適切会計を指摘されて、再発防止に取り組んではいましたが、8/4のプレスリリースで元役員による所得税法違反発表など企業全体の体質に疑念を抱いたこともあり、利益確定が出ている間に売却することにしました。
まとめ
ファンダメンタルとテクニカルでみましたが、あくまでも結果論にすぎません。良いタイミングで銘柄を見つけれたこと、そして株価の居所の位置などトレンドの波に乗ることができ35%の利益率となりましたが、自分の読みと反対の動きになれば潔く損切りすることも大切です。
今後も成功した事例と、反対に失敗して損失を出した事例など記事にしていく予定です。
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