東証市場概況
2022年9月1日の東証市場は続落しました。
日経平均株価は前日比-430円06銭(-1.53%)の27,661円47銭でした。
米国のほか欧州でもインフレによる景気悪化が懸念、欧米・中国アジア株式市場の全面安が日本市場も下落につながりました。日経平均は一時500円超まで売られるなどし、8/2以来の約1ヶ月ぶりの安値を記録しました。
また半導体エヌビディアの中国・ロシア向けの半導体出荷で米当局より新たな許可の取得が必要となり、米中対立が懸念したことも東京エレクトロンやアドバンテスト、TDKなどのハイテク株の売りにつながりました。
米国市場情報
米国31日の米国市場は続落しました。
NYダウ工業株30種平均は前日比-280.44ドル(-0.88%)の31,510.43ドルでした。
S&P500は前日比-31.16ポイント(-0.78%)の3,955.00ポイントでした。
ハイテク関連ナスダック平均指数は前日比-66.93ポイント(-0.56%)の11,816.20ポイントでした。
米国金利の長期にわたる金融引き締めが根強く3指標そろって下落しました。
8月ADP雇用統計(前月比)が予想(29.5万人)を下回る13.2万人となり景気鈍化により利上げが後退する観測され取引開始時は上昇しました。しかし、クリーブランド連銀のメスター総裁が2023年に政策金利を4%まで引き上げと据え置きとタカ派色を示し、さらなる長期金利上昇が懸念され下げが加速、下落に転じました。
金融引き締めの長期が景気を後退させるとして、建機キャタピラやボーイングなどの景気敏感株、アメックスなどの消費関連株まで売られました。
また為替相場では雇用指数下落により一時的にドルが売られましたが、利上げが継続するとの観測でドル円は139円までドル高が進みました。
東証市場情報
東証プライムの売買代金は概ね2兆7170億円、売買高は11億42万株でした。東証プライムの値上がり株は195、値下がり株は1606、変わらずは35と全体の約9割ちかくが下落しました。
建設業が上昇率一位で、海運、鉱業、石油石炭などの景気敏感株が売られました。ドル円レートも1ドル139台と円安に振れていますが、輸出株の買い材料としては乏しい結果となりました。
テクニカル的には前日の終値から下離れして取引スタート。売り一巡後も方向感のないまま軟調に取引を終えました。7/26.27、8/2の安値付近で下げ止まりましたが、ボリンジャーバンドの-1σを割り込みました。明日以降200日移動平均線がまたがる27,500〜27,000円を節目に切り返していくかがポイントです。
特に明日は週末要因に加え、今夜未明に発表される米国8月製造業PMIとISM製造業景気指数の発表があり、明日の日本市場の引け後には米国失業率などの雇用関連の重要指標の発表を控えているので、午前は変動性が高く、午後からは様子見が広がると思われます。
週明けからはアク抜きもあり戻りを試していくと思われますが、金融引き締めへの懸念は根強いことには警戒しましょう。
米国3指標そろって支えとなる75日移動平均線を割り込んでいるので、さらに下げが加速する恐れがありますので、引き続き積極的に買いポジションを持つことは得策とは言えなさそうです。
ドルインデックスも108ポイント台と約20年以来のドル高基調で、景気に左右されにくい内需やディフェンシブなどを物色していきたいところですが、ドル円レートが24年ぶりの139円台と円安になっていることで、原材料の仕入れ価格にも影響するので食料品などの売買は慎重に銘柄を選定するようにしましょう。
9月入りし月初めの株式市場は盛り上がりにかけましたが、今月も毎日更新しますのでよろしくお願いします。
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