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  (最終更新日:2022.04.20)

認知バイアス事典読書メモ

情報文化研究所著 『情報を正しく整理するための認知バイアス事典』を読んでみました。

 

 

認知バイアスに関しては筆者が通信制大学でマネジメント関連の講義で少し勉強しました。

本書では認知バイアスを

  1. 論理学的アプローチ
  2. 認知科学的アプローチ
  3. 社会心理学的アプローチ

以上3つの分野にわけ解説されています。

それぞれのアプローチには事例等わかりやすくまとめられた20個のテーマにより構成されており、論理学・認知科学・社会心理学とそれぞれその分野に精通した3人の著者により執筆されています。

目次

認知バイアスとは?

認知バイアスとは先入観や偏見、固定断定など物事を偏った見方でみることを指します。

ネットの普及により情報過多な現代、その真偽や信憑性など情報の取捨選択は必須スキルです。

そして仕事や人間関係などでも、偏った見方をすると人間関係の悪化、過労など正常な判断ができなくなってしまいます。

本書はそんな偏った物事の見方をわかりやすく解説されており、各アプローチからいくつか参考になったテーマをピックアップしてみました。

①論理学的アプローチ

論理学的アプローチでは思い違いや誤謬(ごびゅう)、または腑に落ちないことでも反論する材料がないため論破できなくてモヤモヤした経験はないでしょうか。

そのような現象をこのアプローチでは解説されています。

1.早まった一般化

早まった一般化とは、ある物事をよく調べたり考えたりせずに発言するときに起こります。

たとえば一般的に鳥は空を飛ぶ動物ですが、空を飛べない鳥も存在します。ペンギンなどがまさにそれで、海を泳いでいるイメージからはあまり想像できませんが、鳥の進化の過程で空を飛ばなくても海を泳いで魚を捕食するようになったため空を飛べなくなりました。

帰納法(後述)の一つで、商品開発などある特定ターゲット層へのマーケティングとしては効率がいいです。

空を飛べない鳥(ペンギン)も存在するといっても鳥類のなかでは、母集団は少ないですよね。

コロナ禍で飲食店での飲み会需要が減り、家飲みやリモート飲み会などが増えたため、少数の外食できない層に絞って商品開発を行うなどがそれにあたります。

2.チェリー・ピッキング

チェリー・ピッキングとは不都合なことはあえて隠し、都合のいいことだけを表面に出すことをいいます。

株投資でも投資信託や保険、はては儲け話などネット上などで絶対儲かるような広告なり宣伝がされていることってありますよね。

私の個人的な見解だと株で勝率99%なんて信じたくもないですし、そんな人の話など聞きたくないと思ったりします。

株を例にしましたが、株式売買は買った時の値段より上がるか下がるかの50/50の確率ですよね。なので勝率に関しては6〜7割くらいが妥当な水準だと考えられます。

正常な精神状態では正常な判断ができますが、追い詰められている状況などでは判断を誤ることが多くなってしまいがちです。

うまい話ばかりでなく、その裏にある不都合な真実が隠されていないかしっかりと情報に向き合うことが大切です。

3.ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬とは、カジノのルーレットゲームで赤と黒、どちらに賭けるかで勝敗が決まるゲームです。

これも2チェリー・ピッキングでも触れましたが、たとえば20回連続で赤にボールが入ったとしたら、次こそはいい加減黒に入るんじゃないかという思惑で黒に賭けてしまう心理を言います。

これも赤と黒のルーレットの50/50の確率にかわりはなく、5回連続で黒が出たとしても、次に赤に入る確率は1/2で変わらないのです。

株も永遠に上がり続けることも下がり続けることもないですが、5営業日株価が下がり続けていて、明日こそは上がると保証なんてないのと同じです。

株のチャート図などは過去の値動きをみてあくまでも参考程度にしかならないですからね。ギャンブルも過去は未来に影響しないことを念頭に嗜むべきです。

ただ悪いことばかり続いて、次こそは良いことがあるなどポジティブな気持ちを持つなどの気休めは大事です。

4.お前だって論法

仕事でミスをした人に注意すると『お前も前に同じミスをしたじゃないか』と言い返されてしまうことをお前だって論法といいます。

売り言葉に買い言葉、ケンカは両成敗だと私は思いますが、そんなことを言い返されたら『いまはその話は関係ない』と一言言い返すことが有効です。自分を律し共に成長できるような関係がベストですよね。

5.後件肯定

後件肯定とは、インフルエンザにかかったら高熱が出るといったような『AならばB』という条件分のことを指します。

大阪のおばちゃんがよくテレビで有名人が激ヤセすると『あれは癌や!』とよく言ったりします(笑)

インフルエンザ以外にも高熱がでる原因は他にもあるので、普段の会話でも条件分で話してないか考え、自分の推論が正しいのか一度立ち止まって考えることが大切です。

6.信念バイアス

信念バイアスとはもっともらしい結論があると、たとえ道徳や倫理に沿ってなくても納得してしまうことを指します。

簡単に言うと言いくるめられてしまうことでしょうか。

過労死などの原因になる長時間労働。個々の仕事のボリュームが多くて就業時間内に仕事が終わらす残業になっても、社内の暗黙のルールでサービス残業が常態化しているとそれが当たり前になってしまいますよね。

常識で考えて個人のスキル不足で仕事が終わらないのは別ですが、必要業務が終わらず残業を適正に管理しないことは法律にも違反します。

みんなも同じように残業してるからとかの理由でサービス残業をしてしまうようなことを信念バイアスといったりします。

②認知科学的アプローチ

認知科学とは、同じ長さのものが違う長さと錯覚したり、騒がしい場所でも自分の名前を聞き分けることができたりする思考のメカニズムなどを指します。

人間が無意識に『帰納法(散らばった個別の事実に共通点を見つけ結論を出す)』を用いて物事を認識し情報を処理することも認知科学のひとつです。

1.ウサギとアヒルの騙し絵

騙し絵で有名なウサギとアヒルの絵。見方によったらウサギにも見えるしアヒルにも見える。

同じ絵を個々に出すとそれぞれ違う動物と解釈できますが、同じ騙し絵を横に並べれば、それぞれわかりやすく違う動物と認識できます。

我々が物事を認識するのは目に映る姿だけでなく、心で解釈した結果ということです。

これは物事を常に自分が偏った見方で見ていないか、時には違う見方で物事をみることが大切です。

2.認知的不協和

認知的不協和とは、自分の考えと行動が一致しない矛盾を抱えたままの状態を指します。

さっきの長時間労働でも触れましたが、ブラック企業とわかりつつも限界まで働いて手遅れになる人がそうです。

激務など過酷な労働環境に不満やストレスを感じつつも辞めることができず我慢する。

わたしにも前職で経験がありますが、慣れとは怖いもので感覚が麻痺してしまうんですよね。

長時間労働が常態化してくると、変な使命感が湧いてきて、『これだけ働いている自分がいるのはこの仕事がおもしろくてやりがいがあるからだ』という思考になってしまい体の不調に気づけず最後は鬱や過労死などの問題に発展します。

モーレツ社員といった高度経済成長期の日本の労働価値観などが美徳とされる考えが未だに引きずっているのかもしれません。

労働環境に不満や納得できないことがあるときはまずは紙に書いたり口に出したり、吐き出すことが重要です。

バイアスというのは恐ろしいです。

3.確証バイアス

自分の発言や思考が正しい思ったり、そしてその発言や思考に沿うような都合のいい情報しか集めないバイアスを、確証バイアスといいます。

物事はなんでも賛否両論あります。読書でもそうですが、原発にしても賛成派反対派中立派とそれぞれ意見がありますよね。

読書などで勉強する際は賛成と反対、わたしは最低でも2冊は読んで自分の思考を整理したりしています。本当は賛成反対中立と3冊くらい読めばその知りたい物事にたいしては大抵のことが知ることができます。

人それぞれ生まれ育った環境、思想、宗教、性格…挙げればキリがありませんが、自分と他人は違って当然です。

安易に価値観を押し付けるのもよくないですし、ときに自分自身も違った角度から物事をみることも重要で、相手の意見も聞きつつ建設的な議論が出来れば人間関係も良好に保てるとはずです。

③社会心理学的アプローチ

ルールを破ったり、いつまでもいじめや差別や戦争がなくならなかったりなど、集団でのコミュニケーションや人間と社会との関わりを研究したのが社会心理学的アプローチです。

1.単純接触効果

単純接触効果とは、特に意識してなかった人やモノでも会う頻度や目にする頻度が増えれば意識してしまう現象をいいます。

異性関係などでも出会った当初は特に何も思ってなかった人でも接する機会が増えると異性として意識することってありますよね。

マーケティングなどでも広告などで頻繁に目にするとつい商品を買ってみたくなったりするときありますよね。

このように人間は接する頻度が多くなると意識する傾向を指すことです。

しかし、いくら会う頻度が多くても第一印象が悪いと逆効果になってしまうので要注意です。

2.ハロー効果

ハロー効果とは美人な女の人は性格もいいなどという考えになってしまうことを指した言葉です。

多少欠点はあっても見た目の美しさで、目を瞑ってしまうことってあったりしますよね。

ビジネスでもいくら素晴らしい内容が書かれた文書でもシワくちゃの封筒に入れられていたり、シワシワの紙にプリントアウトされていたりと多少は外見でも判断されるということです。

それにしても美人な女の人は、色々得すること多いと思ったりします(笑)

3.心理的リアクタンス

自分の選択や行動が制限されると、逆に反発したくなる思考をいいます。

ダチョウ倶楽部がよくやるネタで、押すなよ押すなよで、最終的に押されてしまい池に落ちてしまうようなことでしょうか(笑)

人材マネジメントでもそうですが、管理者などはどうしても労働者は怠けてしまうと思いがちになり、職場のルールを細々と決めてしまい、部下から反感を買ったり反発される。

このような悪循環のサイクルになったりすることってありますよね。わたしも反抗期などありましたが、あれこれ言うこと聞きなさいと言われるとムッとすることもありました。

海外ではティール組織論など新しい組織論で、従業員の自主性を尊重したりと組織変革が行われつつありますが、まだまだこのような大規模な組織改革が行われるのも当分先でしょう。

あれこれ細々ルールを決めるよりかは、しっかり後輩や部下の意見を聞きフィードバックして環境の改善などをしていくことが大切と思います。

4.現状維持バイアス

現状維持バイアスとは、失敗するリスクを恐れ挑戦しないまま現状のままでいいといったことを指します。

人の記憶というのは、成功よりも失敗した時のほうが記憶に残りやすいですからね。

株式投資も利益が出たときよりも、損した時の方が精神的なダメージ大きいのと同じです。

しかし挑戦しないということは失敗することもなければ成功することも無いです。

わたしは成功してる人間ではないですが、30歳後半からボクシングを始めたり、はては通信制の大学で会計学や税務を学んだりとそれなりに挑戦はしていますが、話題や見聞が広がったりとそれなりに気付けたこともあったりで、年齢を言い訳にせず新しいことは始めてみるべきと思います。

日系企業に勢いがなくなりつつありますが、保身に走る旧態依然の古いサラリーマン社長が思い切った方向転換や集中と選択をしない限りは日本企業が世界で勝てる日は本当の意味で無くなってしまうのではないかと危惧しています。

5.同調バイアス

同調バイアスとは他人の行動を参考に、自分の行動を合わせてしまうことを指します。

わたしもたまに、ミーティングなどでどっちでもいいような内容の時はみんなの意見に合わせたりすることがあります。

出る杭打たれるではないですが、今も昔も日本の義務教育って協調性を重視した教育で異端児は変わり者扱いされますよね。

もちろん協調性も大切で、震災などが起こっても規律正しくできる日本は世界的にも素晴らしい面だと思います。

最近は個性を重視することも容認されつつありますが、イノベーションを起こす人ってどこか変わってますよね。ビルゲイツ やスティーブ・ジョブズなど大学中退してますが、世界的には成功していますもんね。

組織でもそうですが規律や行動規範なども同調バイアスが生まれやすい環境であるといえます。

まとめ

SNSやスマホの普及で情報に接する機会と個人が簡単に発信することができる現代。

認知バイアスのように自分に都合のいい偏った見方をしてしまいがちですが、本書では3つのアプローチから体系的に認知バイアスについてわかりやすく書かれています。

認知バイアスについて、何から読めばいいって言う方におススメする最良の一冊です。

 

 

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