東証市場概況
2022年11月30日の東証市場は小幅に続落しました。
日経平均株価は前日比-58円85銭(-0.21%)の27,968円99銭でした。
米国市場のリスク回避によるまちまちな流れを受け日本市場も売りが先行、節目の28,000円を割り込み取引を終えました。
下げ幅は限定的で売り一巡後は押し目買いも入るなどし、下げ幅を縮めましたがプラス圏内へ反転するほどの勢いはなく、今夜未明のパウエル議長発言、雇用関連の経済指標を控えていることもあり、積極的に上値を追う動きにはなりませんでした。
米国ナスダックおよびSOX指数の下落により半導体セクターも弱い動きとなりましたが、買い戻しも入り、底堅いと認識された1日でした。
週後半にかけてパウエル議長講演およびインフレに関連する経済指標発表を多く抱える株式市場、引き続き神経質な展開が予測されます。
米国市場情報
米国29日の米国市場はまちまちでした。
NYダウ33,852.53ドル(+3.07 +0.01%)
S&P500 3,957.63ポイント(-6.31 -0.16%)
ナスダック総合指数 10,983.78(-65.72 -0.59%)
明日のパウエル議長講演および週末の雇用統計などを控えやや様子見ムードとなり、ポジション整理の売りが先行した形になりました。
中国のコロナ対策による抗議活動も懸念されていたが、中国当局によるワクチン接種拡大などで行動制限がゆるまるとの期待で、中国系企業株は上昇しました。
各経済指標により米国のインフレはピークアウトしつつあり、FRBによる金融引き締め懸念は和らぎつつありますが、明日以降に発表される雇用統計やパウエル議長講演を迎えるまでは、積極的な売買につながりにくいといえます。
明日はGDP発表、12/1はPCEデフレータに製造業PMIとISM製造業指数、そして週末が失業率など、神経質な動きは今週いっぱい続くとみられます。
東証市場情報
東証プライムの売買代金は概ね4兆1516億円、売買高は16億6450万株とMSCIの見直しもあり4兆円を超える活況となりました。
東証プライムの値上がり株は488、値下がり株は1287、変わらずは61でした。
海運が大きく上昇率一位、輸送用機器、鉄鋼などの景気敏感系がおもに買われました。小売、電気・ガスなど内需の一角は売られました。
テクニカル的には高値と安値を切り下げ下落トレンド継続。日足では25日移動平均線に安値を支えられる形で反転、下髭の長い陽線となりました。
今週のイベントを踏まえると、買いと売りどちらか一方的にポジションのは難しく、節目と意識されるポイントでは下げ止まったことは投資家心理はそこまで悪化していなく、利益確定の範囲内と言えるでしょう。
少し懸念しているのは節目の28,000円をわずかに下回ったことで、今夜からの米国市場の動向次第では更に調整がすすむ展開も予想され、70日移動平均線が横たわる27,500円までは調整が進む恐れがあることも念頭におきましょう。
まだ上昇に向けての転換は見られなく、5日移動平均線と一目均衡表の転換線も抵抗と意識されるので、これらのポイントを上抜けたら上昇のエネルギーは強まるといえます。
前日の解説でマザーズ指数のトレンドから中小型株も注目と解説しましたが、短期的な利益確定の売りに警戒しましょう。
半導体セクターは中長期的にやはり強く、本日の下落で押し目を形成しつつあり、下げ止まって反転したタイミングで参入するのも良さそうです。とくにレーザーテック(6920)など継続してウォッチしてみましょう。
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