東証市場概況
2022年9月7日の東証市場は反落しました。
日経平均株価は前日比-196円21銭(-0.71%)の27,430円30銭でした。
米国ISM非製造業景気指数が市場予想を上回る結果により金融引き締めが長期化するとの見方により日本市場も下落しました。週末のSQ算出を控えた思惑的な売りと、コール市場プットオプション(売る権利)の売り手によるヘッジ目的の日経先物の売りもあり、日経平均の下げがきつくなりました。
ドル円レートと1ドル144円と止まらない円安により輸出企業の採算改善などで輸出関連の一角は買われましたが、輸入型の企業への原材料コストへの懸念から物色の範囲は限定的となりました。
週明けのブログでも一進一退の神経質な相場になると解説していましたので、想定内と言えるでしょう。
米国市場情報
連休明け米国6日の米国市場は続落しました。
NYダウ工業株30種平均は前日比-173.14ドル(-0.55%)の31,145.30ドルでした。
S&P500は前日比-16.07ポイント(-0.14%)の3,908.19ポイントでした。
ハイテク関連ナスダック平均指数は前日比-85.96ポイント(-0.74%)の11,544.91ポイントでした。
米国6日に発表の8月ISM非製造業景気指数が市場予想の55.3を上回る56.9という結果を受け、FRBによる利上げ長期化による景気減速が懸念され3指標揃って下落しました。また米国10年長期金利が3.3%台に上昇したことも、高PERのハイテク株が売られ、ナスダックとSOX指数ともに下落しました。
6日はオーストラリア準備銀行が0.5%の利上げを決め8日にはECBとカナダ銀行も利上げの予定がされており、世界的な利上げに対する景気減速が懸念されました。
米国金利上昇により収益改善の期待からJPモルガンチェースは底堅く、ディフェンシブ銘柄となるジョンソンアンドジョンソンやヘルスケアのメルクやユナイテッドヘルスなども底堅い値動きとなりました。
米国VIX指数は27.80と約2ヶ月ぶりの高水準となりました。
来週には米国8月CPIが予定されており、日本市場同様神経質な相場のなりやすいので警戒が必要です。
東証市場情報
東証プライムの売買代金は概ね2兆7522億円、売買高は11億1504万株でした。東証プライムの値上がり株は432、値下がり株は1369、変わらずは36と全体の約7割が下落しました。
保険業や不動産などの内需・ディフェンシブが上昇率上位で、円安の恩恵を受けやすい自動車などの輸送用機器、ガラス土石、非鉄金属などの素材系が買われました。反面、円安による燃料費のコスト悪化による思惑で海運がきつい下げに、原油先物下落により鉱業や石油石炭株も売られました。
テクニカル的に支えと意識される75日移動平均線、ボリンジャーバンドの2σ、一目均衡表の先行線などが密集する付近で下げ止まったあとは下げ幅を縮小させながら取引を終えました。キツい下落から自立反発も否定できない相場ですが、明日以降この支えとなるポイントを割り込めばさらに下落する恐れがありますので警戒が必要です。
週末にかけSQと欧州中央銀行(ECB)の政策金利、そして来週も米国CPI(消費者物価指数)などのイベントを控えており、神経質な相場は継続すると思われます。
ピンポイントで選定する銘柄は難しいですが、ポイントとしては①1ドル144円と止まらない円安による輸出企業の採算改善と反対に輸入企業の原材料など仕入れに対するコスト悪化、②長期的な金融引き締めによる景気への影響でここ最近の各国中央銀行による政策金利に対する発言などが株式市場に織り込まれていないことによる変動性の高まりなどです。
いつも以上に警戒する株式市場となりましたが、無理に売買するよりも反転したタイミングで参入することが個人投資家として今できる戦略のひとつかといえます。
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