東証市場概況
2022年10月17日の東証市場は反落しました。
日経平均株価は前日比-314円97銭(-1.16%)の26,775円79銭でした。
前週末の米国3指標の下落の流れを受け、日本市場も午前の取引開始より売りが先行しました。先週金曜に800円を超える上げ幅をみせた日本市場、利益確定の売りと米国長期金利上昇によりハイテク株を中心に売られました。
下げ幅は限定的で5日移動平均線を支えに、ドル高・円安および旅行割りなどでインバウンド関連や空運株など旅行関連の一角が買われ、午後からは押し目を拾う個人投資家の買いに下げ幅を縮めました。
買いの勢いは弱くプラス圏内への反転はなく、米国決算を見極めたいなどややリスク回避モードとなりました。
米国市場情報
米国14日の米国市場は反落しました。
NYダウ工業株30種平均は前日比-403.89ドル(-1.34%)の29,634.83ドルでした。
S&P500は前日比-86.84(-2.36%)の3,583.07でした。
ハイテク関連ナスダック総合指数は前日比-327.76(-3.07%)の10,321.39でした。
週末の米国市場は3指標そろって下落しました。取引開始時は前日の流れと、取引開始前に発表された9月小売売上高が市場予想0.2%を下回る0.0%の結果を受け、インフレ懸念が後退し買いが先行しました。
その後のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想58.9を上回る59.8との結果を受け、インフレ期待が再燃し、投資家心理の悪化につながりました。
米国は決算相場に突入、大手銀行の決算も出揃いはじめました。JPモルガン・チェース(7-9月期)決算は売上高が327億ドル(前年同期比+10.4%)の327億ドル、税引き前利益120億ドル(前年同期比-15.0%)
モルガンスタンレーは減収減益、シティグループは売上高186億ドル(前年同期比+6.1%)、純利益は34億ドル(前年同期比-25.1%)といずれも増収減益と芳しくない結果となりました。
今夜未明にはバンク・オブ・アメリカ、明日はゴールドマンサックス と米大手銀行の決算が相次ぎ、日本国内の銀行株にも少なからず影響を与えると思われます。
今夜の米国市場は鉱工業生産指数、20日はフィラデルフィア連銀景況指数が発表されます。
米国外では中国で18日に9月鉱工業生産、7-9月期GDP、9月小売売上高と中国の経済指標も重要になりつつありますので、ウォッチするようにしましょう。
東証市場情報
東証プライムの売買代金は概ね2兆4239億円、売買高は10億5721万株でした。東証プライムの値上がり株は384、値下がり株は1390、変わらずは63でした。
海運が上昇率一位で、空運、陸運など旅行関連の3業種のみ上昇しました。卸売、原油価格などが下落したことで、鉱業、卸売などは大きく下落しました。
テクニカル的には前日の高値と安値におさまる持ち合い。安値を5日移動平均線に支えられ、上値は一目均衡表の転換線に押さえられる形となりました。
下髭が長く短い実体の陰線で迷いの形となり、前日の25日移動平均線の抵抗にあって本日下落したことから、今週は戦略を立て難い相場と言えそうです。
懸念事項はやはり米国長期金利。4%台に突入した先週から現在は3.96%と下落傾向ですが、米国市場の様子を見る限り、米国長期金利の上昇が投資家心理をシビアにさせていることは否めません。
継続して金融引き締めに前向きな米国FRB。このことは既定路線として受け入れつつ、個別銘柄選びが重要と言えるでしょう。
日本国内も業績相場へと移行しつつあり、子会社の上場にともない通期の業績予想を上方修正したテラスカイ(3915)をみても個別はしっかり買われています。
また先週発表の10/3-10-7の投資部門別売買状況をみても海外投資家勢が日本株を買い越しに転じており、売買状況を確認しながらPERなど割安感の強い日本株を物色するのも良いと言えるでしょう。
いずれにしても米国市場情報の欄でも解説しましたが、米中ともに今週もインフレの参考となる経済指標が多く発表される見通しなので継続してウォッチするようにしましょう。
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