東証市場概況
2022年9月8日の東証市場は反発しました。
日経平均株価は前日比+634円98銭(+2.31%)の28,065円28銭と節目の28,000円を超えて取引を終えました。
米国インフレへの懸念が一服による米国市場の3指標揃った上昇の流れを受け日経市場は2%台の上昇幅となりました。9日のメジャーSQ算出に伴う思惑買い、時間外の米国株価指数の堅調な値動きもあり、取引開始時は買いが先行、午後からはじりじり上げ幅を拡大させ28,000円台に回復しました。
日本時間今夜未明に開催されるECB(欧州中央銀行)理事会で大幅な利上げを決定する見方が強く、米国も利上げ継続に前向きな姿勢もあり、金融引き締めに対する警戒は残されています。
TOPIX指数+2.19%、TOPIX100+2.35%、マザーズ+0.95%と大型株を中心に買われ、国内ハイテク株の東京エレクトロンやディスコなどの半導体関連、ファーストリテイリングなどの値がさ株を中心に買い直されました。
世界的に利上げが進む状況で取り残される日本の金融緩和政策、明日以降28,000円を守りつつトレンド転換するのか注目が集まります。
米国市場情報
米国7日の米国市場は反発しました。
NYダウ工業株30種平均は前日比+435.98ドル(+1.40%)の31,581.28ドルでした。
S&P500は前日比+71.68ポイント(+1.83%)の3,979.87ポイントでした。
ハイテク関連ナスダック平均指数は前日比+245.99ポイント(+2.14%)の11,791.90ポイントでした。
米国長期金利(10年債)3.2%台、WTI原油価格下落を受け、3指標そろって上昇しました。直近の3,000ドル近い下落から値頃感からの買い直し、空売りの買い戻しなどにより幅広い銘柄が買われました。
もっとも来週のCPI、そして20〜21日開催のFOMCにおける0.75%の利上げを決定するとの見方が強まっており、引き続きトレンドが継続するかがポイントです。
消費関連株のアメックスやナイキ、ボーイングなどの景気敏感株、また新型iPhoneを発表したAppleも買われました。
VIX指数は8%安の24.64ポイントに低下しました。
東証市場情報
東証プライムの売買代金は概ね2兆9818億円、売買高は12億765万株でした。東証プライムの値上がり株は1703、値下がり株は103、変わらずは31と全体の9割が値上がりしました。
精密機器、空運、医薬品、電気機器などの景気敏感からディフェンシブ、小売や化学や繊維の素材系まで幅広く飼と買われました。反面、原油価格下落により鉱業や石油石炭株は弱い動きになりました。
テクニカル的には前日の終値から上向きの形で強く上昇、5日移動平均線と一目均衡表の転換線、そしてボリンジャーバンドの1σを抜けました。
節目の28,000円を超えれましたが、ここからの問題はここで値固めをして上昇トレンドが継続するかがポイントです。前日に長期の参考指標となる200日移動平均線を割り込んだことで売られすぎからの反発や空売りの買い戻し、SQ算出における思惑買いなどの域を越えるかを確認するには今日一日だけ28,000円を超えただけでは疑念が残されます。
28,200円付近に横たわる25日移動平均線と一目均衡表の基準線、そして横向きのボリンジャーバンドなど抵抗となり得そうな指標が密集していますので、まだ安心できる位置ではありません。そして米国のダウ指数、S&P500、ナスダックともに75日移動平均線を割り込んでいるので、こちらも反発してトレンド転換か反対に下落するのか、確認が必要になります。
値頃感のある銘柄も徐々に増え始めてきており物色の選択肢は多くなりますが、ピジョンなどテクニカル的に面白い動きになりました。
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